白雪姫

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昔々 ある国に美しいお后さまがおりました。 王様を愛していましたが、子宝に恵まれません。 ある深々と雪の降る寒い日、一人窓際に座り刺繍を始めました。 子供が出来ますようにと 一針、一針、念を込めて縫っていたとき、針が指先に刺さりました。 あっ と思った時には、指先から朱い血が、流れでいました。 お后はしばらく眺めてから、ゆっくりそれを舐めとりました。 朱い血のように美しい唇、漆黒な闇のような髪、白い雪のように白い肌、そんな子供が欲しい 願いを込めながら縫い上げました。 しばらくして、お后は懐妊し玉のような姫君が、誕生しました。 王様は王子が望みでしたので、失望しました。 白雪と名ずけただけで、部屋から出て行き、しばらく逢にも来ませんでした。 お后は何故王子ではなかったのでしょう、と姫君を恨みました。
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