青年と猫

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玄関を出ると少し傾いたお日様が僕の目を直撃し、少し立ちくらんで家の石にけつまづきそうになったがなんとか踏ん張った。   そして先に出たサキを目で追って行くが…   何処にもいない…さっき出てきた家の玄関の奥から気配がするので片付けでもしているんだろうと思ったが、   ん?   おかしい…   先に出たはずなので家に面した道路に出て周りを確認するが誰もいない…     周りは何故か音一つしないのだ。     少し立ち止まって考えてみるとこの時間に道路に車が走っていないのはおかしいのだ。   家に面した道はこの街の住人だけでなくその他の通勤者もよく通る場所なので一台も…一人も人がいないのはおかしすぎる事なのだ。  ふと気配を感じ後ろを振り向くと、砂漠に座っている有名な像のような同じ恰好で座っている茶色に少し白い縞模様が入った、こちらをジロリと見る深い緑色をしているビー玉の様な目、手のひらより少し大きい体。   「フナァ~♪」   さっき同じ鳴き声を聞いたと思われる猫だ…  何故かじっとこちらを見つめるので僕もその目から視線を外せずじっと見ていると、時間が止まった様に思えた。   「こんな所で何してるんだ?」  
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