青年と猫

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もちろん返事は無い。  「チッチッチッ」   軽く舌打ちするが無視するので少し近づくと、機敏な動きで逃げ出す仕草をした。   もう一度 「チッチッチッ」と鳴らしまた一歩近づくと俊敏な動きで逃げてしまった。   すると先ほどまで誰もいない道路にガヤガヤザワザワとまるで時が戻った様に車のクラクションや道行く人の話声、そして   「もう‼何してるの‼早くしないとバスに乗り遅れるわよ‼」   とサキの急かす声が聞こえた。   「ん~まだ寝ぼけているな…」   ま、猫なんて何処にでもいるからまぁいいかと心の中で自分に言ったが目的地に向かうバスの中で心の片隅から離れないように忘れられなかった。
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