失意の中で…

8/22
11945人が本棚に入れています
本棚に追加
/304ページ
光帝「マ、マスター、どうかなされたのですか?口調も変わっているようですし…」 光帝がビクビクしながらそう言うと、マスターは「すまない…」、そうひとこと言って、また話し出す。 マスター「…レイの一族を殺したのは………僕達だよ。」 その言葉は帝達を驚かせるには十分すぎた。 マスター「僕達と言っても、君達七帝が着任する前の話しだよ。まだ僕が零番隊隊長だった頃の話しだ…………………」 …………………………… ゲイル(マスター)「はい?時空守りの一族と戦えと?」 王「…そうだ。…だが厳密には違う。奴ら一族の寝込みを襲うのだ。つまり、…暗殺だな。」 真っ白な壁が四方を囲み、床には高級そうな赤い絨毯が敷かれ、シャンデリアや一枚数億はくだらない絵画が数十枚も壁に掛けられている。その部屋の中心。そこには、これまた高級そうな煌びやかな椅子に座った男と、その男の前で跪き頭を垂れている一人の男がいる。 ゲイル「…暗殺…ですか…。しかし、いくら寝込みを襲うからと言っても、相手はあの時空守りの一族。最強の血族ですよ。そう簡単には無理かと。…現に、【不死鳥の涙】の全ての帝で赴いても、全滅は目に見えています。」 この時、ゲイルはこの任務がこのまま無くなればいいと真剣に思っていた。…だが、相手はこの世界、【レングス】の王。権力を使い、とんでもないことを言い放った。 王「何を言っているんだ?何もそちのギルドだけに行けと言っているのではない。この世界全てのギルドにおる精鋭達を使うのだ。その総隊長をそちにやってもらいたいのだ。」 ゲイル「す、全てのギルドをお使いになるのですか!?それこそ、星の数程あると言われているギルドですよ?とんでもない人数に…」 ゲイルはそう言いかけたが王がその言葉に被せ、言い放つ。 王「それではそちは、儂の命令に背くと言うのだな?」 この言葉に苦虫を噛み潰したかのような表情になるゲイル。 王の命令に背く。…それは国家反逆罪としての極刑を意味する。今は、ギルド【不死鳥の涙】の零番隊隊長でもありマスターでもある。そんな者が極刑にでもなったら、その余波はギルドにいる隊員達にも影響を及ぼす。
/304ページ

最初のコメントを投稿しよう!