失意の中で…

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マスター「…まぁ、過ぎたる力は身を滅ぼすと言うことだよ。……それで、彼がどうやって現出したり、消えたりしてるかだったね。」 マスターはそう言って炎帝と雷帝の顔を見据える。 マスター「彼の力を聞いた今ではすぐにわかることかと思うけど、レイはただ単に空間を操り、もといた空間と次に現出する空間を繋いでいただけなんだよ。まぁ、ただ単にと言っても、僕らからしてみれば想像を絶する現象なんだけどね。」 そう言いながら苦笑するマスター。 炎帝「…それでか…」 雷帝「あのよぉ、聞いてて思ったんだが、ただ一人の生き残りってどうゆう意味だ?一族って言うんだからそれなりに人数はいるんじゃないのか?」 雷帝のその言葉を聞いた瞬間、帝達から見て後ろ向きだが、マスターの纏う雰囲気が真剣なものへと一変する。 マスター「…彼は…いや、彼の一族は………全員殺された。レイを除いてね。」 雷帝「な、なんでだよ!その時空守りの一族ってのは強かったんだろ?」 マスター「…あぁ、…強かった。それこそ、一人一人が僕達帝の力を遥かに凌駕する程にね。」 マスターが後ろ向きのままそう言うと、何人かの帝達は不満げな反応をしめした。そして、そのうちのひとりである雷帝が… 雷帝「ふんっ!なら余計に変じゃねぇか。俺達より強いってのに、そう簡単にくたばるもんなんか?」 ブワッ… 雷帝のその言葉を聞いた瞬間、マスターの身体から膨大な量の魔力と殺気が部屋中に迸る。 七帝「「「!?」」」 マスター「…そう簡単にくたばるか?…だと?」 マスターは静かに振り返る。…その顔は普段の温和なものから憤怒の形相とでも言えるものへと激変していた。 マスター「…んな簡単にくたばるような連中だった訳ねぇだろうが!!!」 …一喝。それだけで帝達はマスター…全帝に畏怖の感情を抱く。
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