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第一章 任務
とても大きく、一種の城のようにも見える建物の前に先ほどのフードの人物が立っていた。
そして静かに両開きの扉を開け、中に入っていった…
中は酒場のようになっていて数百人の男達で賑わっていた。少数ではあるが女性もいるようだ。
扉の近くにいる男達が扉が開かれた音を聞き、そちらの方を見た。
…しかし、扉が開かれていたが、誰も入ってこなかった…
男達「「ん???」」
…否、先ほどのフードの人物は確かにその扉から入ってきた。
しかし、存在感が限りなく0に等しいため周りにいる人達には、いるはずなのに見えないのだ。
そしてフードの人物は誰にも気付かれないまま、酒場の中を通り過ぎて行った…
建物最上階のある一室の前にフードの人物は立っていた。
フードの人物はそのまま何も言わずに扉を開けた。
…部屋の中には一人の男が大量の報告書などの束に目を通していた。
フード「マスター、任務…完了したぞ」
フードの人物はその男に言った。
男はマスターと呼ばれているようだ。
マスターは顔を上げた…
マスター「どうだった?少しは楽しめたかい?レイ!」
フード「全くだな。面白みの欠片もなかった。簡単すぎる。」
マスター「あれは一応SSSランクの任務だったんだけどなぁ。…流石、神速の死神だねぇ。」
神速「フンッ」
マスター「じゃあそんな君に新しい任務を言い渡します。」
神速「今度は楽しめるんだろうな。」
マスター「もちろん!!」
マスター「明日から神速の死神…レイ・ライラークにはファルマン魔法学園に通ってもらう!」
レイ「…………はっ?………冗談…だょな。」
マスター「いや、本気さ。」
レイ「何でいきなり?…それに学園で習うことなんて何もないぞ?」
そうなのだ。レイは学園で習うことは完璧に覚えているのだ。
逆に教えてしまうことができてしまうほどだ。
マスター「いゃ~、国のお偉いさん達が、ギルド【不死鳥の涙】の零番隊隊長ともあろう者が学園を卒業してないなどありえないとか言い出してさぁ。」
レイ「はぁ、めんどくさい。」
マスター「まぁ、そんなこと言わずにさぁ。息抜きってことで行ってくれば?」
レイ「俺は確かに楽しめるものと言ったが、めんどくさいことは嫌いなんだ!!」
マスター「いいから、文句言わずに行く!」
レイ「………はぁ」
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