922人が本棚に入れています
本棚に追加
-*-
時計を見れば
楽屋を出てから
50分近く経っていた
そろそろ戻るか
自販機の前のベンチから
立とうとした時
『北山ー?』
藤ヶ谷の声が聞こえた
『あっ北山いたー』
にこにこと笑顔で近づいてくる
『宮田も横尾さんも北山が
帰ってこないから心配してたよ』
お前は?
そうやって藤ヶ谷に聞きたいけど
聞けない
だからもどかしい
「…そっか、ありがと」
俺はベンチから立ち上がって
歩き出した
しばらくの無言の後
『あのさ、北山…』
藤ヶ谷が俺に話しかけてきた
『最近、俺の事避けてない?』
.
最初のコメントを投稿しよう!