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「しろくろぉぉお死ねやぉらあぁぁぁあッ!!!」
いつもより早く登校してしまい
自分の席で暇つぶしに“ふて寝”しているところへ
朝っぱらからドタドタと、眠気覚ましには丁度良い奇声を放ち
ドンキホーテで売ってそうなナイフを片手に構え、こちらへ走ってきた同級生のタカマル
「死ね死ね死ねぇぇぇええ!!!」
まったく…どうしてそんな恥ずかしい単語を感情的になりながら連呼できるのか理解できない
俺は『はぁ…』とため息を吐きながら、重そうにイスから腰をあげる
「学習出来ねえのかよ…サルが…」
ボソッと呟いたが、多分タカマルには聞こえていない
毎朝恒例となっているこのイベント、入学式から1ヶ月の間
毎日欠かさずタカマルは俺に向かってくる
勝てもしないのに
突進してくるタカマルが俺の間合いに入るや否や、ナイフの刃先を指で摘まみ、まるで合気道の達人がやる“空気投げ”の様な投げかたをしてみせる
タカマルは相変わらず、訳が分からないっていう表情で
綺麗に整頓された机の列に突っ込んでいき、気を失った
「まったく…誰がこの机整頓すると思ってんだよ…」
机の並びを崩したのはタカマルだが、それは俺の技によって引き起こった惨状なので
正当防衛とはいえ、俺が文句を言える事ではなかったが
なにぶん俺は暇なので、渋々と乱れた机を整列させ
タカマルを教室の隅へと引きずって置いた
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