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並行して、『常闇の空』の一件で姿を消したグレイド・シルヴァーの行方も単独で捜索。
更には王族として正式に迎えられた今、一命は取り留めたものの、脊髄に損傷を受けて下半身不随となってしまった皇帝の後継者として、細かな仕事を手伝っている。
いい意味でも悪い意味でも、暇と呼べる時間が全くなかった。
「分かってるってー。それよりカヤナイツなんだけどさ……、もうちょっと物資回せねーかな?」
「難しいだろうね……。私たちでも秘境から持って来る訳にもいかない。今はもうこれで精一杯さ。」
「う~ん……」
「なに、民は分かってくれているよ。焦ることはない」
そして忙しさに拍車をかける出来事が、事後処理が済んでいない状態で新たに起こったのだ。
場所はカヤナイツ。現在壊滅状態にある。
カヤナイツの情報がライズの元に飛び込んで来たのは、一昨日のことだった。
それからというもの、ギルドに要請したり実際に足を運んだりと慌ただしく指示を飛ばして、ほぼ寝ていない毎日。
「確実に恵みを齎す方法が必要、かぁ……」
「ああそうだ。これから暇はあるかい?」
皇帝の問い掛けにライズは首を振り、否定。
「残念ながら。俺の後釜候補の指導がね……。あいつ生意気なんだよなーっ、あーやだやだ」
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