鎮魂曲の書①プレリュード

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アルターは恐怖した。 優勢だった軍が一瞬にして覆されたのだ。 一体何だと言うのだ!? 何をどうすればここまで一気に形成が逆転されるのだ。 どうする? どうすればいい? その心はただ焦りと苛立ちが募る。 しかしそうこう考える今も兵力はどんどん減っていく。 おのれぇ!レクイエム! アルター「全軍撤退だ!予定通りアジトへ!散会!!」 号令を出す! 始まってそうそう負け戦か…。 アルター「この屈辱…わすれんぞ!!」 アルターの軍隊が退いていく。 その様子を遠くから見つめる響…。 三年間何も成長していないと思っていたが…。 コートを翻しアルターに背を向ける。 響「…引き際だけは学んだようだ。」 ここはそれに免じて逃がしてやる。 逃がすんです?と聞きたげにのらが寄ってくる。 響「アルと連絡とって1人の兵士を尾行(つ)けろ。」 のら「りょーかい!」 敬礼1つ、アルの元へとはしってゆく。 背後から気配を感じる。眞那だ。 響「ここじゃなんだ、俺にわかる事なら教えるよ。俺たちのアジトへきてもらえるか?」 眞那は静かに頷いた。 ゾディアックアジト、警察署。 帰還しシンへと報告を終えた響は眞那を連れて屋上へと上がる。 さて、と一言置き、眞那へと向き合う。 眞那「聞かせてもらえる?貴方と甲斐について、そして甲斐がここで何をしようとしているかを。」 屋上にたてつけてある柵にもたれ夜空を仰ぐ。 三年前のモバゲーサバイバルの事、甲斐の事、眞那に話した。それは短く、そして長い物語(ストーリー)。 眞那「…神…。」 響「眞那はなぜ甲斐を?」 疑問を投げ掛ける。 眞那「まだ詳しくは話せない、ただ、ある『物』が甲斐によって盗まれたの。それはまだ明かせない。」 響「これから…どうする?」 眞那「貴方たちといれば甲斐に会えそうよね?良ければ手伝わせてもらえない?」 響「確かにどちらも目的は『甲斐』だ、こちらも戦力はこころもとない。助かる。」 こうして眞那と手を組む事になった。 甲斐は一体何を盗んだのだろう。
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