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商店街を歩く。
さっきからマップ情報を見ているが腑に落ちない事がある。黄色の点はあるが赤い点は全く出てこない。
試しに縮小出来るだけ縮小して広域マップに切り替えるが赤い点は見つからない。
これはどういう事だ?
携帯ばかり気にしていたため前を見ることを忘れた。
ドン!
十字路で出会い頭に誰かとぶつかる。
響「っと!すまん。大丈夫か?」
?「あたた、あ、はい大丈夫です、こちらこそごめんなさ…。」
時間が止まる…。
そんな………。
由希………?
まさか!アイツは!?
響「すまん、名前を…聞いて…いいか?」
?「えっ!?」
人違いならそれでいい。もし…聞いてはいけない名前がでたら…。
?「……三神……由希です。」
響「……由希……。」
あの時死んだはずの由希が目の前にいる。
しかも成長した姿で…。
一体これは………?
甲斐!?
アイツ俺に何をさせたいんだ!?
三年前に甲斐が言った言葉を思い出す。
君が神となれ
由希「あ、あの!?大丈夫ですか!?」
響「あ、すまな…。」
由希「これ、使って下さい。」
そういってハンカチを渡された。
響「え?」
由希「あの…その…涙を…。」
響「っ!?」
目を擦る、指に液体が付着する。
響「あ、ああ、すまない。」
気がつけば涙を流していた。前にも同じ事あったよな。情けねぇ。
響「ありがとう。あ、これどうしよか?洗って返すよ。いや、弁償した方が…。」
由希「いえっ!?そんな!?ってああ!?時間!?」
携帯を開き時間を確認する。
由希「ごめんなさい!急いでるので!」
そういうと走り去って行った。
響「………ははは、はははははははは!!」
データだろこれ?
ここまで似るものなのか?
死んだ筈の由希が性格まで同じまま生きている。
俺の中で何かが弾けた。
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