恭華

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恭華

 とある土曜日の朝のことだった。 お父様は銭湯のアルバイトへ、お母様はスーパーのパートへ行きました。  お父様のアルバイト先の銭湯は、ほとんどの家庭に風呂のあるこのご時世にも客入りがよく、毎晩お客さんの笑い声で溢れていました。 しかし、それだけお客さんが来るということは、それだけ汚れが溜まるということなのです。 お父様はそんな銭湯の掃除を一手に任されていました。 正直なところ、今まで自分以外の人が掃除をしているのを、女湯ですら見たことがありませんでした。
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