煙草の香り

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「やっぱり、何か悩んでるでしょ。 ダメだよー。悩んで溜め込んでたら…」 奏太は手を伸ばし、俺の頭を撫でてくれた。 きっと、彼からしたら慰めなのだろうけど、胸が締めつけられるような感じがして苦しい。 「別に、何も悩んでないです。子供扱いするの止めてください。」 きっと、俺は彼の事が好きだ。きっとじゃなくて、絶対に好きだ。 けれど、この気持ちが叶う事はないだろう。俺の片思いなんだから。 「ふふ、そうかい。 俺からしたら、高校生はまだまだ子供だよ。」 そう言って名残惜しそうに、奏太の手が離れていった。 「ねぇ、あんたは、その先輩のこと好きだった?」 俺が突拍子も無く、そんなことを聞くと、奏太は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。 「先輩として、好きだったよ。向こうはどうだったか知らないけど。」 「そっか…」 正直、答えてもらえるとは思わなかった。 それに、期待していたわけではなかったけれど、奏太がその先輩を好きと言わなくて良かった。 「なんで、そんなことを聞くんだい?」 奏太が不思議そうに聞いてきた。 どうしよう。言ってしまおうか。
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