序章

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中学時代、百鬼夜行は特別不良というわけではなかったが、しばしば授業を抜け出して屋上で昼寝をすることがあった。 その日も移動教室で理科の実験があるにも関わらず、いつものように屋上で寝ていた。 「あ、やっぱ居た。早く連れてかないとアタシが先生に怒られるんだからね!」 百鬼夜行を探しに屋上に来たのは幼なじみのシザ子である。 「うるせーな…水曜日の五時間目は昼寝って時間割になってんだよ俺は」 百鬼夜行は仰向けに寝たままシザ子に言った。 「くだらないこと言ってないで、早く起きてよ! アタシ達のグループでレポート出さないといけないんだから!」 「あー、テキトーにやっといて。テキトーに。」 「またぁ?もーっ!怒られても知らないからね!」 「………」 シザ子はそう言うと、急いで理科室へ向かった。 (あー…眠い…)
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