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日が沈み月が怪しく
雲の隙間に顔を出した
薄暗いベンチに二人
沈黙だけが時を刻む
錆びたリングをそっと外して
ポケットの中にしまい込んだ
日焼けのないこの薬指から
溢れる景色が痛い
白く輝く息が空に舞う
それは煙草のせいじゃなくて
君に伝えた終わりの言葉が
冬の夜空に響いていく
泣き虫の君の瞳は
今にも雨が降り出しそう
無理をした作り笑顔が
切なく胸に傷をつける
愛は薄れているのに今は
馴れ合いが胸を締め付けている
幸せになって欲しいなんて
綺麗事をただ並べて
白く輝く雪が降り積もる
今までの日々が胸に積もる
いつかは溶けるただそう信じた
次の夜明けを迎えるため
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