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笑顔
「同じ人間だからな」と言われたあの日のことが忘れられない。
お礼も言えないまま季節が流れ春がやってきた。
春休みのある日…私は珍しく小学校にいた。
学校に桜の木がたくさんあったのでお花見気分で自転車に乗り出かけたのだ。
学校についても誰の声もしない…。
とても静かだった。のんびり花見をしているとボールを蹴る音がした。「誰だろう」と思い蹴る音のするほうを見るとそこにはサッカーボールを蹴るS君がいた。
私はS君を見ながら「…ずっと練習してたんだ…」と黙って見ていた。
見ているうちになぜか私はS君の少し後ろに移動した。
その時だった…S君が蹴り方が悪かったのかボールをとりそこね私のほうにボールが飛んできた。
私はそのボールを胸で勢いを殺しワンバウンドさせてS君のほうにボールを蹴った。
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