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白い、白い花
冷たくて、君にどこか似ていて
触れた瞬間、解けてしまう
「シンジくん…どうしたの?」
「別に…、
吹雪いてきたね。
早く泊まる場所を探そう」
「うん」
ギュッと渚の手を繋ぐ
雪に負けない程、冷たい
もしかしたら雪より冷たいと思う
「雪、止まないね」
「うん」
「何だか、嫌な感じ」
「何で?」
「今にも雪が全て覆ってしまって
何もかも飲み込んでしまいそう」
「そうだね…」
一面真っ白の中を歩く僕ら
行く宛などなく、ただひたすら歩く
渚の云う通り間もなくこの世界は雪で埋め尽くされるだろう
君は僕が守る
その為なら、世界が滅んだって構わない
僕は世界を救わない
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