遺書

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「どうしたの静香?」 歩き出した静香を見て美紀が声を掛ける。 「いや…ちょっとあの祠が気になって…」 「あの祠が?」 「うん…遺書なんだけど…」 「遺書?」 「神代ゆりえっていう人が最後どんな思いだったのか知りたくて…」 「そうだよね…お婆ちゃんの話では可哀想な人だったよね…」 美紀は少し考えた。 「見てみようよ静香!悲しい少女が最後に残した遺書をさ!」 「いいでしょ?宏樹!」 美紀は一応宏樹に確認をとった。 「あぁいいんじゃね?別に減るもんじゃないし、興味あるんなら見てみろよ。」 宏樹はどこか乗り気じゃなかったが反対はしなかった。 恐る恐る祠に近付く二人。 生暖かい風が肌をかすめる。 心優しかった少女がどうして『こっくりさん』のような怨霊になってしまったのか… その答えが書いてあるかもしれない。 そのような好奇心を少しは抱いていたのかもしれない。
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