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「美紀…大輝大丈夫かな…」
「…」
「…美紀?」
美紀は泣いていた。
「美紀…」
静香は何て声をかけたらいいかわからなかった。
大丈夫だよ。絶対死なないよ。
そんな保証はどこにもなかったからである。
「美紀…行こっ!」
今度は静香が美紀の手を引く。
「宏樹を見つけて大輝を助けて、こっくりさんを退治してみんなで帰ろっ!」
静香がなるだけ明るく振る舞う。
美紀の体は震えていた。
「あ~もうっ!」
突然美紀が大声を出した。
「!!」
驚いて手を放す静香。
「何よ!大輝の奴!一人でカッコつけちゃってさ!ホントにバカなんだから!
大体宏樹が悪いのよ!こんな旧校舎にフラフラと入っちゃってさ…
宏樹と大輝…全部終わったら見てなさいよ!私が殺してやるんだから!
静香!」
「はっ…はいっ!!」
静香は叫ぶ美紀に怯えながらも返事をした。
「まずは宏樹よ…」
そう言うと美紀は堂々としながら歩き出した。
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