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「宏樹…大輝…なんで?」
呆気に取られる二人。
「おい見ろよ宏樹。まるで死人を見るような目してるぜ。」
大輝が笑いながら言う。
「そりゃそうだろ。」
宏樹がこっちへ向かって歩いてくる。
「はい!注目!」
宏樹が自分の足を指差す。
「なっ?ちゃんと足あるだろ?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔で宏樹と大輝を見る二人。
少し困った顔をする宏樹と大輝。
「心配させたな。」
そっと手を差し出す宏樹と大輝。
美紀と静香の目には涙でいっぱいだった。
しかしこれは恐怖の涙ではない。
嬉しさと安心に満ちた涙だった。
「バカ…」
手を取りそのまま抱き付く美紀と静香。
「バカ…バカ…」そう繰り返した。
静香の頭をポンポンと叩くと宏樹は静かに言った。
「さてと…感動の再開はここらへんにして、さっさとケリつけるぞ!」
いつの間にかそこには『こっくりさん』の姿はない。
そこは再び暗い静寂に包まれていた。
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