希望

18/18
前へ
/180ページ
次へ
校舎裏には樹齢二百年はあろうという巨大な樹があった。 「これが護神木か…」 その威圧感は相当なものだった。 この樹から全ては始まったのだ。 「みんな来て!」 美紀が三人を呼ぶ。 「どうした?」 三人が駆け寄る。 「ほらあそこ!」 美紀が懐中電灯で照らす。 そこには小さな祠があった。 「これがお婆ちゃんが言ってた祠ね…」 「この中にノートがあるんだよな?」 「そうだろ。ただし絶対にある訳じゃないけどな。」 「ちょっと宏樹。変な事言わないでよ!」 周りは静かで虫の鳴き声も聞こえない。 もしこの祠にノートがなかったら。 この不安は最後まで四人を苦しめた。 「開けるぞ!」 大輝が祠に手を掛ける。 そしてゆっくりと開いた。 中は暗くてよく見えない。 すると雲が晴れ、月の光が祠を明るく照らした。 そこには確かにあった。 遺書とは別にノートが確かにあったのだ。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7913人が本棚に入れています
本棚に追加