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校舎裏には樹齢二百年はあろうという巨大な樹があった。
「これが護神木か…」
その威圧感は相当なものだった。
この樹から全ては始まったのだ。
「みんな来て!」
美紀が三人を呼ぶ。
「どうした?」
三人が駆け寄る。
「ほらあそこ!」
美紀が懐中電灯で照らす。
そこには小さな祠があった。
「これがお婆ちゃんが言ってた祠ね…」
「この中にノートがあるんだよな?」
「そうだろ。ただし絶対にある訳じゃないけどな。」
「ちょっと宏樹。変な事言わないでよ!」
周りは静かで虫の鳴き声も聞こえない。
もしこの祠にノートがなかったら。
この不安は最後まで四人を苦しめた。
「開けるぞ!」
大輝が祠に手を掛ける。
そしてゆっくりと開いた。
中は暗くてよく見えない。
すると雲が晴れ、月の光が祠を明るく照らした。
そこには確かにあった。
遺書とは別にノートが確かにあったのだ。
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