遺書

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「あった…」 四人は食い入るように祠を覗き込んだ。 そこにはボロボロのノートと遺書らしい封筒がほこりを被り、ひっそりと置いてあった。 「出すぞ!」 大輝がそっと祠へ手を入れる。 月の光に照らされながらノートと遺書がはっきりと四人の目の前に現れた。 「ここに書いてあるのよね…」 「あぁ…アイツを封じ込める方法がな…」 「私達助かるのよね?」 「もちろんさ。絶対死なせはしない…」 最後の宏樹の言葉はどこか覚悟を感じた。 「美紀!明かりをくれ!」 美紀が懐中電灯でノートを照らす。 宏樹はノートの一枚ずつにゆっくりと目を通していった。 最初の方は何やら数学のノートに使っていたらしく、数式などが書いてあった。 ジッと睨み付けるように読んでく宏樹。 他の三人も息を呑み、宏樹を見守る。 ノートの半分を読んだ辺りで宏樹の目付きが変わった。 「あったぞ!」 『こっくりさん』 そう書かれたページが姿を現した。
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