*苺味

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「れ‥『もぉ先輩!少しはお世辞とかないんですかぁ?!』」 何かをいいかけた雪先輩の声に無理矢理被せる。 「‥‥‥。」 じっとわたしを見つめる先輩。内心、ちゃんといつも通りに出来ているか凄いドキドキしている。 「その内先輩が惚れ惚れしちゃうようなわたしに変身しちゃいますからね!」 べーッと舌をだしながら言うと雪先輩も 「そおだ!怜が焦るくらい素敵に変身しちゃうからねわたしッ!」 「‥誰だよお前。」 雪先輩のボケを確実に打ち落とす先輩。 と同時にチャイムがなりわたしは先に教室へ帰っていった。 「‥‥はぁ‥」 別に期待なんかしてた訳じゃない。 付き合ってからも可愛い何ていってもらえた事なんてないし、自分の容姿だって自分が一番よく分かってる。 ‥‥分かってる、ケド、、、 「もっと頑張らなくちゃって事だよね‥‥」 "気づかなかった" その言葉には流石に少し傷ついたよ。 だって少しでも先輩に近づける様に頑張ってお化粧やら髪型やら研究してたんだもん‥‥。 もちろんナチュラルメイクだから気づかないかもしれないけどさぁ‥ 最後に言った言葉。 "でも雪がそお言ってるんだからそおなんじゃねえの?" 遠回しに可愛いといってくれてるのか、自分は興味がないといっているのか(まぁ、後者だろうけど)分からないけど、 「‥‥先輩じゃなきゃ意味がないんだよ。‥‥ばーか、、、」 わたしの呟きは虚しく消えた。
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