*苺味

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「‥‥それを楮仔ちゃんの目の前で言うべきだよ。きっと泣くよ嬉し過ぎて」 確かにアイツなら泣きかねないな、 「‥‥というか雪、アイツ見てキュ~ンってしたのか?」 実はさっきから気になっていた事。 「‥‥ぷッ。怜って意外と嫉妬深いんだね~」 「‥‥‥。」 いちいち痛い所をついてくる奴だな‥‥ 「怜。」 急に真剣な顔つきで俺を呼ぶ雪。 「‥‥何だ。」 「怜が楮仔ちゃんを好きなのは分かってる。 けど、たまには言葉にして表さないと楮仔ちゃんが可哀想だよ?」 「‥‥‥。」 「きっと気づかせないようにしてるだけで楮仔ちゃんは不安で一杯だよ。怜の一言でその不安は消えるんだ」 不安‥‥。楮仔は不安で一杯なのか? 「怜は楮仔ちゃんにいつも大好きって言われてるけど、その一言で不安は少なくとも少しは無くなってるハズだよ? ‥‥‥違う?」 確かに安心する、俺を想ってるからこそ言うその言葉に。 「‥‥楮仔ちゃん結構人気だよ。」 「‥‥は?」 「新入生からも、先輩からも、同級生からも。あ、怜と同じクラスの松田も可愛いって言ってたね」 俺は雪の言葉をポカンと聞いていた。 松田まで‥‥?? 「楮仔ちゃんが怜から離れることはないと思うけど、あんまり怜が無愛想だと‥‥分からないよ? 特に、その敦史って奴にはね」 「‥‥‥分かってる。」 さて、どうするか。 まずは楮仔に可愛いとどう言うか‥‥ いや、流石にそれは言えない‥‥や、でも言わなきゃアイツが不安がるか‥‥‥ 一人、黙々と考える俺を見ながらその様子を雪は楽しげに見つめていた。
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