*苺味

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きっと敦史はわたしが言って欲しい言葉を沢山くれるんだろう。 もちろん不安になることも無いと思う。 「わたしが好きなのは‥」 それでもわたしが好きなのは‥‥‥ 「わたしが好きなのは‥ッ!『あんまり調子乗らないでくれる?』」 「‥‥」 睨み付ける敦史。 「‥‥怜先輩‥」 強引に後ろに引かれた体はすっぽりと彼の懐へ吸い寄せられた。 「‥折角のいいところで焦って来たって訳ですね」 「‥‥嫌でも聞こえる。」 えぇ!聞こえてたの?!まぁ廊下だもんね‥‥ 「聞いたと思うけど"楮子"貰ってもいいですよね先輩?」 「‥‥‥。」 敦史の挑発的な言葉に対して怜先輩は眉間に皺を寄せながら黙ったまま。 先輩、‥‥やっぱりもう飽きちゃった?? 「無言なら肯定と受け止めますね、」 わたしの手を握っていた敦史の手の力が強まりどこかへ行こうとする。 スルッと抱きしめていた先輩の力が弱まる。 先輩、これじゃあわたし敦史に連れていかれちゃうよ‥‥? 先輩の温もりが薄れる中わたしの涙腺はどんどん刺激されていく。 泣くなわたし‥‥最後まで先輩に面倒くさいって思われちゃう。 「‥‥ッ」 先輩の温もりが全て消えた、それと同時に耐えきれなかった涙が一粒ポロッと流れた。
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