~芹沢 鴨~

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「お主には儂の話し相手になって貰う。」 「話し相手…ですか?」 (お酌の相手じゃなくて話し相手…?何でまた…。) 「ふ…っ。何故話し相手なのかという顔だな。」 「う"……っ。」 「理由など特にない。ただ儂がお主を気にいったからそうしたいだけだ。儂を投げ飛ばせる女子など、そうそうおらんからな。」 ハッハッハ!!と芹沢さんは大声で笑った。 「…そ、そうですか。」 これは喜んで良いんだろうか…。 (何か、複雑……。) 「しかし、毎日ここに来る訳にはいかんだろう。お主にも女中の仕事があるからな。 だから暇な時で構わん。お主の手が空いた時に来てくれれば良い。」 「…そんな事で良いんですか?」 (何か裏があったりとかしないよね…。) 「あぁ、儂が言っているのだから構わん。」 芹沢さんは元の場所にドカッと座った。 「わ、分かりました。そういう事で良いんでしたら…。」 (お酒を注いだりするのよりよっぽどマシだよね。) 「儂の用件は終わりだ。わざわざ呼び出して済まなかったな。」 「いいえ。では、私はこれで…。」 「………神崎。」 「?はい。」 部屋を出て行こうとした私を、芹沢さんが呼び止めた。 「………その、何だ。昨日は済まなかったな。」 「!!?」 (え…?今、謝った…?あの芹沢さんが謝った!!? 土方さんが素直なのよりも衝撃が走ったんですけど!!) 「っ!!話しは終わりだ!!さっさと部屋に戻れ!!」 芹沢さんはそう言うとぷいっと顔を背けた。 その耳は凄く真っ赤だった。 「はい、ではまた今度お伺いしますね。失礼します。」 (もしかしたら思ったよりも良い人なのかもしれない。) そんな風に思いながら、私は土方さんと芹沢さんの部屋を後にした。
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