渡、紫玉に出会う。

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「美奈ちゃん!?」 水色の長い髪に、容姿端麗な子が、 渡の目の前に立っていた。 「私ね、渡君に会いたかったの」 「え、あ…そ、そうなんだ」 突然の出来事に驚く渡。 互いに少し笑ってはいるが、 そのまま赤面している二人だった。 カーボルがニヤニヤしながらも、 気にせず二人は二人の世界に入っていた。 「ま、俺は場の空気読んで、 この辺で失礼させてもらうぜ」 「子供の見る物じゃないもんね」 「あぁ」 クスクスと笑う二人は玄関を出た。 一方、渡と美奈の二人は渡の部屋にいた。 「えっと…何、話そうか」 「好きな動物とかどうかな」 初々しいとは正にこのことなのか。 互いに赤面していて、 まともに話せやしない。 「俺は、その…猫とかが、好きかな」 「わ、私も」 「あ、同じだね」 「本当だね」 そして互いに笑い合う。 だが二人の顔はやっぱり赤い。 そして紫玉に覗かれてるのも知らずに。 「くくく…昔のカップルも、 こんなんだったのかねぇ」 「おとーさん、あの二人チューするの?」 「こ、子供がそんなこと聞くんじゃない」 カーボルも赤面してしまった。 なぜかロバルーンはニコニコしていた。
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