渡、紫玉に出会う。

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それは、雨の日。 とは言っても小雨程度の雨だったが。 渡が傘をさして歩いている途中、 『なんだお前』 と書かれた紙が貼ってある。 渡は視線を紙に向けた。 こういうのは何となく興味が湧く。 そこの隣にいたのが、謎の物体だった。 例えるなら丸い顔に短めな手足がある。 だが胴体は無い。 つまり、どこかで見たことがある、 「一頭身キャラ」みたいな感じだ。 渡は人以外の動物にも かなり興味を持つらしく、 そのため謎の物体には興味津々だった。 尤も、当の本人は嫌がっているのだが。 「お前さ、どこから来たんだ?」 渡が謎の物体に話しかける。 まさか喋らないよな、とは思っていたのだが… 「ちょいと事情があってな、話せないんだ」 「へぇ、そうなのか…って、え…?」 渡は驚きを隠せなかった。
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