渡、紫玉に出会う。

3/10
前へ
/10ページ
次へ
当たり前だろう、今まで見てきた中で、 こんなにペラペラと喋っている 「人」以外の動物なんてあまり見ないのだから。 「お前、俺を変な奴だと思ってないか?」 いかにも、の事を指摘されたので、 渡はただ黙っているだけだった。 「ま、人の考えだから仕方ないがな、 聞いてないと思うが、俺の名は… 『カーボル』とでも呼んでくれ」 完全にマイペースな 『カーボル』という謎の物体だが、 不思議にも渡はそのペースについてきていた。 「俺は杉本渡って言うんだ、よろしくな」 「杉本渡か…せっかくだから、 今日はお前ん家に泊まらせてくれや」 「あぁ、いいぜ」 …あれ?と思った方もいるであろう。 渡はカーボルの策略にハマったのである。 それも疑い一つもせずにだ。 この謎の物体、見た目の割に賢い奴である。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加