始まりの音

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  不安定な足が宙を舞い…             目を覚ますと… ソコは、部屋の中だった。       見覚えのある天井に… 時計の秒針の音だけが、等間隔で聞こえてくる。     「夢…か…。」     …愛法は ここが日本である事を確認して…   少し安心すると…   ベッドから… 床に足を下ろした。       ドアを開けて… 部屋を出ると…       見覚えのある長い廊下を 歩く…       二階の奥の突き当たりの… 部屋の前まで来ると…       躊躇いもなく、ドアを蹴り飛ばした。       ドアは凄い音を立てて…内側に倒れた。      愛法は…それを気にもとめず…   部屋の中に入った。      部屋では、ベッドで… 30代前半の男が寝息を立てている。     名前は…高城雅彦(たかしろまさひこ)… 職業は… パティシエ兼オーナー兼、店長である。 +愛法の保護者でもあった。         …その人の顔を 足蹴にすると…にこやかに挨拶した。       「おはよう。」         高城は仕方なさそうに目を開けると…   …愛法の足を軽く手でどかした。       「?…おはようございます…愛法。   …少し足癖が悪いようですね。 直した方がよろしいですよ?」         「…足癖は(どうでも)いいんだよ。 ボクが言いたいのは… 夜遅くまで恋愛シュミレーションゲームをしている暇があるなら…   ボクを早く直して…って事!!!」           愛法が寝室に転がっていた 可愛い女の子が絵描かれている…ゲームの箱を…   拾い上げて講義すると…   高城はベッドから立ち上がり… 寝癖のついた頭をボリボリと掻いて… メガネをかけ…   のっそりと此方を向いた。        
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