ギターケースの中身

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ギターケースの中身

  †††††††††    ―第2幕―~爆風の記憶と決意~         ◆◆◆◆◆◆     「ん?あれ…塩が切れてる。」       手を伸ばした調味料入れの中身は… 空だった。       「う~ん?コレは、買って来るしかないか…。塩焼きにならないもんな…。」       …羽柴通(はしばとおる) 17歳。   つい最近までは… ごく普通の高校生だった。       不思議系少女型爆弾(…と書いて、愛法と読んで欲しい。)     …と出会って 平凡な生活が一変     今は… 捕虜、もしくは… 執行猶予中の罪人と言った所だろうか?         「あの…塩、買って来ますね?」       …チラリと向けた視線の先には…     黒のタイトなスーツ姿に身を包んだ。     セミロング位の黒髪の… 行儀良く正座した 女性が座っていた。      …彼女の名前は 水橋郁(みずはし かおる) 19歳。     職業はケーキ屋rainの従業員で…       俺の見張り…もしくは、監視だ。     俺は前を向くと、ガチャリとドアを開けた。       「お出かけになるのですか? …分かりました。」      立ち上がった郁さんに… びくりと震え…     …そろりと 後ろを振り返る。       「あの… ついて来るつもりですか?」       「はい。 オーナーから、そう言い付けられていますので…。 何か不都合でも?」      「…不都合と言うか…。」       俺の視線は、郁さんの左手の… 一点に集中していた。       「ああ…コレですか?」       俺の視線を辿って…その視線の先に気付くと…     俺にそれを持ち上げて見せた。      
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