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「何故…そんな(物騒な)物を…。」
俺は…
ため息を付いて目を伏せた。
愛法に初めて会った時…
変わった子だなぁ…と思ったけど…
この人は、その上をいってる気がする。
「日本では、ナイフや銃はマズいと
聞いていたので…。」
「いや…うん…でも、釘バットも充分マズいと思うよ…俺。」
郁さんの左手には…
釘バットがガッチリと、握られていた。
あんなの
持ち歩いてる奴を連れて…
スーパーに入れるハズが無い。
「しかし…丸腰では…。」
「防弾チョッキも着てるし…
まるっきり…丸腰というわけでは、無いでしょう？」
「…貴方を監視し
…守る事も私の仕事です。」
頑なな態度の郁さんに…
ため息を付くと…
俺は部屋の隅に置いてあった…
赤のチェックのギターケースを差し出した。
「…せめてコレにソレ入れてくんない？
あからさまに
ソレ持ち歩いていると、捕まるから…多分。」
「…そうなんですか？日本は、恐ろしい所なんですね。」
…どっちかと言うと
恐ろしいのは、そんなもの持ち歩いている貴方だ…
…とは、言えない。
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