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郁さんはいそいそと…
バットをギターケースに仕舞うと…
ライダースを羽織って、ギターケースを肩から掛け…
立ち上がった。
「さぁ…
行きましょうか。スーパー。」
…若干不安なのは、俺だけでしょうか?
絶対逆らうまい…と
心の中で何度も復唱しながら
俺は家を出た。
…怒らせてはならない…気がする。
「気のせいでしょうか?見られている気がします。」
歩道を後ろから歩いて来た郁さんが…
キョロキョロ…と、周囲を見まわしながら言った。
「…気のせいではないと思います。
…でも、決して…敵意は無いと思うので…。」
郁さんは…
見かけだけなら…
スーパーモデル並みにスタイルの良い人だから…
すれ違う人は、みんな此方を振り返る。
「…そうですか。日本とは、不思議な国ですね。」
…俺には、釘バットを持ち歩く…貴方も十分不思議です。
…とは、言えない。
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