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何から話せばいいのだろう?
いざ書き始めると、あれもこれもと頭の中の整理がつかない。
まずは父のことを話したいと思う。
父は5人兄弟の末っ子として生まれた。
だが、実際は生まれた時から姉しかいない。
他の兄弟(全て兄)は病気・事故で幼くして他界している。
祖父は父が生まれたことをとても喜んだ。
目に入れても痛くないほどの溺愛ぶりだったと、叔母がふてくされて話してくれた。
だが、父には『父親』の記憶があまりないという。
父が幼い頃に祖父は肺ガンで亡くなってしまった。
祖母は女手一つで子供2人を育てるのに必死だった。
朝早くから夜遅くまで働いていた祖母には家庭にかまっていられなかった。
…生きるため…
今にも崩れて壊れそうなほったて小屋の家。
今の私達には想像もつかないような家だったと、後に叔母から聞いた。
『あまりにも惨めだから、友達にバレないようにわざわざ遠回りして家に帰ったんだよ』
苦笑していた。
そんな家で少年時代を過ごした父…20代で家を建てたのは、私たちに同じ思いをさせたくなかったからなのか…?
案の定、高校生になった父は非行に走ったという。
度々警察のご厄介にもなったらしく…祖母は大変だったらしい。
その片鱗は、30代になっても見え隠れしていたのだけれど(汗)
私が若かりし頃、1度だけガスを吸っていたときの父の一言は…
『俺はシンナーは吸ったことあるけど、ガスはないぞ!』
って…
あの…注意するとこ間違ってませんか?
普通はボッコボコにされてもおかしくないところなんだけど…。
そういえば母に突っ込まれたっけ。
『そーゆー問題じゃないッ💢』
って。
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