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リビングに血の水たまりができていて、その上を猫が歩くためあちこちに赤い足跡ができていた。
…なに、これ…?
生まれて初めてみた惨状に呆然と立ち尽くす。
『アネキ、ボケッとしとらんと!』
弟の声で我に返る。
下の弟は猫を捕まえ、お風呂場に一緒に閉じこもる。
上の弟と私はバケツと雑巾を持ってそれを片付ける。
『ねぇ?人間って口からこんなに血を吐けるものなの?』
黙々と作業をしながらふとつぶやいた。
気がつけばもう夜明けだった。
うつらうつらしながら、母からの連絡を待つ。
午前7:00、電話が鳴った。
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