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父親が知らない内に残していた蓄えは、すでに底をついていた。
だからと言って、高校中退で終わっている達也の履歴書は何の魅力も持たない。
やっと割の良いバイトとして最近始めたのが、ティッシュ配りの派遣バイトだった。
日給七千円。
毎日入れるわけでなく、生活が苦しいのはかわらなかった。
“ご飯……”
昨日の昼から何も食べてない体は限界を迎え、口に出来るものを求めて冷蔵庫を開ける。
入ってるのは、賞味期限の切れた卵と納豆だけだった。
“せめてお米が食べたい”
お米は先々週なくなり、今月は厳しいためまだ買っていない。
給料が入るまであと一週間あるのだ。
ため息が自然と漏れる。
冷蔵庫をそのまま閉め、コンロの下の棚からカップ麺を取り出す。
これは生活を哀れんでくれた派遣会社の社員さんからの差し入れだ。
お湯はコンロ上に置きっぱなしになっていたフライパンで沸かし始める。
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