プロローグ

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サラリーマン、主婦、学生。 電気屋近くの大通りは至る所でクリスマスイベントをしており、様々な人が溢れていた。 それぞれに家庭、待つ人がいる。 “やっぱり、どこかで羨ましいと感じているのかな” 自分が感じたことのない人の温かみを味わっている人々に対する羨望。 気付かないうちに湧いたいた微かな想い。 考え事をしているうちに、周りが見えていなくなっていた。 何度か人にぶつかり、やっとのことで人通りが少ない裏道に辿り着く。 小さなため息をつき、壁に背中を擦るのも気にせず座り込んだ。 “騒がしい” 見上げた世界はほとんどがビルに隠され、僅かに見える空は青く蒼く澄み渡っていた。 .
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