はじめに

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あたしは単車に跨ったまま 動けないでいた 長い沈黙の後 「あははは!嘘やがな 死なへんしな 嘘や嘘! そんな真剣な顔しよるから 笑うんこらえててんけど我慢出来へんかったわ」 男の言葉に呆然とした ただ一言… 「…ほんま最低やな」 その言葉と同時に涙が溢れた 驚いた顔をした男は あたしの涙を拭おうとしたのか 手をあたしの顔に近づけたが あたしはその手を払いのけた … あれ… 今… チラっと見えた男の手首には 切ったような跡が 数本見えた 何 今の… 驚いてると 腕をガシッと掴まれ 無理矢理単車から下ろされた後 きつくきつく 抱きしめられた
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