一章:平穏と不穏

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「――であるからして江戸幕府は……、」 教科書を持ち、黒板に書き込みながら話す教師。 それを必死にノートに書き留める生徒。 学校では当たり前の授業風景。 そんな中、話を聞かず窓の外を眺めている女子生徒が一人。 一番後ろの窓側の隅で、心地よい日差しが当たっている。 さらにダラダラと話す教師の声やカリカリと筆記する音、確実に時を刻む時計の秒針の音。 全てが眠気を誘う。 つまんないし、このまま寝ちゃおうかなぁ。 そう思った彼女は眠気に抗(アラガ)うことなく、そのまま目を閉じた。  
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