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「……乃、雪乃ってば!!」
聞き覚えのある声がしたと思った瞬間、背中に大きな鈍い痛みが響く。
その衝撃に驚き、机に伏せていた体を起こすのは先程の女子生徒。
名は、相模 雪乃(サガミ ユキノ)。
「もう授業は終わったのにいつまで寝てるつもり?」
「えっ?あっ……。」
目の前にいた女子生徒の言葉を聞き、辺りを見回すと、クラスメート達が帰る用意をしていたり教室を出ていく所だった。
「今日も隼人君は部活でしょ?一緒に帰ろ!」
先程から雪乃に話しかけている女子生徒は、一番親しい友人の高田 渚(タカタ ナギサ)。
高校からの付き合いだが、気が合いとても仲が良い。
その渚に叩き起こされ、ぼやけていた雪乃の意識が今、漸(ヨウヤ)くはっきりとする。
「遅いと置いていくよ?」
「ちょ、ダ、ダメ!」
雪乃の慌てぶりを見てクスクス笑う渚。
それに怒りながらも雪乃は慌てて鞄に荷物を詰め、渚と共に教室を後にした。
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