第1話-榮花学園-

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『答えろ。ここは何?学園長は?』 「この俺が説明してやるっつーのに、黙って聞けないのかよ」 お互いがお互いの発言の態度にイラッとする。 しかし、今の立場では姫蝶の方が不利。 姫蝶は、軽く咳払いをして口を閉じた。 「まず、お前は今さっきから榮花の生徒になった」 足を組んで光はバサッと言い放つ。 『私は、まだ入学を決めたわけでは』 「黙れ」 すかさず述べようとした姫蝶の反論を、これもバサッと切り落とす。 再度イラッとするも、今は逆らえない。 しかし、閉じようとした口は光の次の言葉ですぐに開いた。 「で、今日からお前生徒会長だから」 『…は?』 突拍子もないこととは、こういうことだ。 『何の、冗談?』 「お前が女子会長で、俺が男子会長」 『ちょ、無視するな』 混乱する頭。 けれども光は気にせず続ける。 「ここは、生徒会の寮。左が女子棟つまりお前の。右は男子棟で俺たちのってわけ」 (…寮? こんな、城の一歩手前みたいな建物が…?) 『あぁ、だから私付きのメイドがいるのか』 「そういうこと」 姫蝶は合点のいったようにポンと手を合わせた。 …わけもなく 『…ってわかるわけないだろう!』 ガターンと立ち上がる。 「何だそれ、ツッコミ?」 『違う!』 光は姫蝶の様子にハァとため息をつくと、面倒くさそうに口を開いた。
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