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『答えろ。ここは何?学園長は?』
「この俺が説明してやるっつーのに、黙って聞けないのかよ」
お互いがお互いの発言の態度にイラッとする。
しかし、今の立場では姫蝶の方が不利。
姫蝶は、軽く咳払いをして口を閉じた。
「まず、お前は今さっきから榮花の生徒になった」
足を組んで光はバサッと言い放つ。
『私は、まだ入学を決めたわけでは』
「黙れ」
すかさず述べようとした姫蝶の反論を、これもバサッと切り落とす。
再度イラッとするも、今は逆らえない。
しかし、閉じようとした口は光の次の言葉ですぐに開いた。
「で、今日からお前生徒会長だから」
『…は?』
突拍子もないこととは、こういうことだ。
『何の、冗談?』
「お前が女子会長で、俺が男子会長」
『ちょ、無視するな』
混乱する頭。
けれども光は気にせず続ける。
「ここは、生徒会の寮。左が女子棟つまりお前の。右は男子棟で俺たちのってわけ」
(…寮?
こんな、城の一歩手前みたいな建物が…?)
『あぁ、だから私付きのメイドがいるのか』
「そういうこと」
姫蝶は合点のいったようにポンと手を合わせた。
…わけもなく
『…ってわかるわけないだろう!』
ガターンと立ち上がる。
「何だそれ、ツッコミ?」
『違う!』
光は姫蝶の様子にハァとため息をつくと、面倒くさそうに口を開いた。
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