第1話-榮花学園-

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スタッ…と地に足をつける。 姫蝶はたった今自分が飛び降りた木を見上げると、太陽の光が合わさった眩しさに目を細めた。 日はあっという間に変わり、作戦決行の時刻。 ついさっき昼食を食べ終え、緑には自室で読書をする為夕食の時間まで一人にするようにと頼んだ。 窓から木に移り、そこから下へと降りた。 部屋のドアには鍵をしたし、一応の時間稼ぎにはなる。 豊春に交渉しようも、電話に出ない。 おそらく姫蝶の用件の内容を既知で故意に無視しているに違いない。 (だから、私は自分の足でここを出る。) 姫蝶は先程の着地で少しズレた眼鏡を整えると、まず寮の庭を抜けるべく走り出した。 「…華月院様が行動なされました」 緑が気付いていて、報告されていることも知らず。
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