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明るい陽の下でその肌は白さをより浮き出し、
茶髪の長い髪が整った顔にかかって影をつくる。
「清掃員…?」
薄い唇を開いた男はー…常盤 昭彦(トキワ アキヒコ)。
この男もここの生徒だろうか?
姫蝶は眉を寄せて考える。
しかし、光以外は明日まで不在のはず。
道具として持っていた箒をギュッと握ると、姫蝶は昭彦の目を見据えて言った。
『新人の清掃員です。失礼します』
とにかく、あまり印象付けてはまずい。
姫蝶は足早に立ち去ろうとする。
その姫蝶の手を昭彦が掴もうとしたが…
パシッ
「!」
姫蝶に無意識にはじかれてしまった。
ポカンとして、走っていく少女の後ろ姿と自分の手を交互に見る。
(はじかれたの、初めて…。)
すでに姿のない方を見て、小さく口角を上げる。
(眼鏡に三つ編みの清掃員…ね。)
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