第1話-榮花学園-

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これが、果たして学校なのだろうか? 森の中にそびえ立つ、まるで中世時代の城のようなこの建物が、学校と言えるのだろうか? …まず有り得ない。 姫蝶は拳をギュッと握ると、目の前の巨大な建造物を見据えた。 (…叔父上め! 私をこんな怪しい所に送り込んで、何を企んでいる…?) 叔父の豊春(トヨハル)に薦められ、執事に連れられやって来た。 だけど、どう考えてもここが学校なわけがない。 (…また私は、叔父上のお遊びに引っかかってしまったのか?) 姫蝶はため息をつくと、帰るために踵を返そうとした。 その時 「ではお嬢様、私はこれで」 側に立っていた執事が、仕事を無事やり終えた!というような顔で姫蝶に頭を下げた。 『……は?』 姫蝶は『私も帰るぞ?』と首を傾げると、車の方へ歩き出した。 それを ガシッ! 『!』 がたいの大きな男二人に阻止された。 『なっ何だお前たち!離せ!』 バタバタと暴れる姫蝶の両腕を、無言で掴むスーツにサングラスの男たち。 『私は帰るんだ!何をする!』 執事が合図をすると、男たちは大門の方へと姫蝶を引きずり出した。 『ちょっと!助けろ!』 「お嬢様…私はお嬢様が立派な淑女になられることを願っております」 『はぁ!?』 困惑する姫蝶を、執事は安堵の表情を浮かべながら見送る。 『~~っ!』 (どういうことだーーっ!!)
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