第1話-榮花学園-

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『……』 抵抗するのに疲れ、大人しくズルズルと連れられる。 『…私をどこへ連れて行く』 「「……」」 男たちは相変わらずの無言。 姫蝶は少し口を曲げてしかめ面をすると、 そういえば、と辺りを見始めた。 大門から広大な敷地へと入り、建物内へとやって来たが… (…中もまるで城だな。) 大理石の床に、シャンデリアに、絵画に、装飾品に、巨大な窓に… (…絶対、学校じゃないだろう、うん。) 第一今日は平日であるのに、生徒の姿はどこにもない。 生徒の前に、人がいない。 そして…教室すら見当たらない。 (…叔父上、本当に何を企んでいる?) うーんと考えていると、 「…到着いたしました」 パッ…と腕が解放される。 『…っと!急に離すな!』 キッと睨み付けると、二人揃って姫蝶に頭を下げた。 「手荒なまね、まことに申し訳ありませんでした。あちらになります」 そう言って男が示した先を目で追うと、 …荘厳な扉が見えた。 「…学園長室です」
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