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私はとても緊張していて、会うのが正直恐かった。
ママをとられる様な気がして…
翔「姉ちゃん大丈夫?」
翔が心配そうに、私を見つめてくる。
ユウナ「大丈夫!!」
翔「いよいよだね…」
ユウナ「うん…」
翔「開けるよ?」
ユウナ「うん…」
ガチャッ…
ユウナ・翔「ただいまぁ~。」
バタン…
ママ「お帰りなさい☆」
そうやって、ママは私達の所に男の人とやってきた。
ママ「この人が、ママの好きな人の芹沢透(セリザワトオル)さんよ!!」
芹沢さん「初めまして。芹沢透です。」
その芹沢透と言う男の人は、スラッとした優しそうな顔をしたおじさんで、私は少しだけほっとした。
ユウナ「初めまして。ユウナです。」
翔「翔です。」
私達は、2人で玄関でお辞儀しながらあいさつをした。
芹沢さん「さすが、美奈さんの子供達だ!!しっかりしてる。」
(美奈とは、ママの名前だよ☆)
私と翔は靴を脱いで、いつもの様に揃えた。
ユウナ「ママ!!服着替えてくるね!!」
翔「俺も…。」
ママ「じゃあ、着替えたらリビングに来てちょうだいね!!」
ユウナ・翔「わかってる!!」
ユウナ「芹沢さんすみません。少し待っていてください。」
芹沢さんは、穏やかに笑って送りだしてくれた。
私は、部屋に行くとすぐ着替えて、ため息をついていた。
ユウナ「とりあえず…悪そうな人…ではないよね…。」
そんな事を呟いた時…
コンコン…
翔「姉ちゃん行くよ!!」
ユウナ「うん。今行く!!」
私と翔は、一緒にリビングに向かった。
その間は、まったく翔とは話さなかった。
リビングに着き、私達はイスに座る。
芹沢さん「それでは、改めて…芹沢透です。」
ママ「ママは、真剣に透さんとお付き合いしているの!!ユウナや翔がいいって言ってくれたら、結婚だって考えてるの!!」
ユウナ「ママ!!今は黙っててもらえるかな…?ママの気持ちは、わかってるから!!」
ママは、寂しそうな顔をして俯いてしまった。
それをフォローするかの様に、芹沢さんがママに言った。
芹沢さん「ユウナちゃんは、本当に美奈さんの事が好きなんだよ。僕の事を敵を見るかの様に見てる…。」
(えっ…!?)
自分でも驚いてしまった。
そんな目で見ていたなんて…。私は、動揺してしゃべれなくなってしまった。
すると、私の手を握ってくる手があった。
(翔だぁ…。)
翔の手は、私の手を優しく握ってくれて、なんだかすごく安心した。
翔「芹沢さんは、何のお仕事をされているんですか?」
芹沢さん「会社経営をしているよ!!」
ユウナ「おいくつなんですか?」
芹沢さん「47だよ。」
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