デボラ&ランスロット

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「みんな、どうかしてるわ」 週に三日の逢瀬には、互いの家族の愚痴が盛り込まれるようになりました。ため息を吐いたわたしに、彼女はやさしくキスをする。 「大丈夫だよ、デボラ。僕と君を悩ませるものはもうじき綺麗に取り除かれる。僕たちは離れ離れになんかならない。だから今日はその為の計画をじっくり練ろう」 ボーリンはわたしをデボラと呼びました。高潔で誇り高き皇女の名。居心地のわるい現実から逃げ出すために、わたし達は二人だけの世界を作りました。そこには何の中傷もない。わたし達は正常な男女として愛を深めることができたのです。 「……それもそうね。ああランスロット、あなただけが私の味方よ。愛してるわ」 「ありがとう。僕も君を愛しているよ。二人だけで幸せになろう」
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