拙けれども、この愛を

デボラ＆ランスロット

ランスロット、というのは、男になったボーリンの名前です。彼女は凛々しくたくましい憲兵になりきって、皇女のわたしを愛でました。わたしを悩ませるものはすべからく、彼が取り除いてくれました。二人の恋を邪魔する者も、彼がその手で罰してくれる。

わたし達は創作の合間を縫ってじっくり考えました。二人が幸せになるには何をしたらいいでしょう。答えは意外と簡単でした。ボーリンの母を殺してしまえばいいのです。わたし達を引き裂こうとした忌まわしき首謀者。

子供が大人を殺めるというのは、大人が子供を殺すよりもずっと、簡単で楽で好都合でした。それも二対一ならば尚更。

計画はすぐ実行に移されました。