プロローグ

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第××回 全国中学生テニス選手権大会 決勝戦 ――――来た!! 絶好のチャンスボールだ!! 俺はすかさずネットの前につめる。 そして、サービスラインの少し手前で高めにバウンドしたボールを相手のバックサイドに打ち込んだ。 「ハァッ!」 「………ッ!」 まだ拾うのかよ…。 ホントにしつけぇ。 しかし相手の体勢は崩れていた。 俺は打ち込んだ逆…相手のフォアのネット前にドロップを落とす。 相手は全力でネット前に走ってきて、ボールがバウンドした直後に打ち返そうとした。 「ッ!」 しかし、あらかじめサイドスピンをかけておいたドロップショットは相手のラケットのフレームにあたり、ネットを越えずにバウンドした。 「ゲームセット!!ウォンバイ神崎!! 6-4 5-7 7-6!!」 「よっしゃぁぁ-!!!」 そして、ラケットをもった右手を高く挙げて叫んだ――――。
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