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「―――と言うわけで、神崎君には是非ともウチに入学していただきたい。」
「はぁ…。」
「まぁ、一度練習に来てみなさい。
話しはそれからにしよう。」
「わかりました。
わざわざ遠いところからありがとうございました。」
「いやいや、
では、良い返事を期待しているよ。」
そう言って、今話していた男性は帰っていった。
「はぁ…。」
なんか悪いなぁ…。
もう行く高校は決めてるから今更遅いのに…。
俺、神崎理苑は去年…つまり夏にやった全中(全国中学生テニス選手権大会)と全日本ジュニア、そのすこし前の春にやった全国選抜で優勝した。
そのため、高校の人がテニス推薦で俺を入学させようとして家に来ることが多々ある。
でも、俺は既に行く高校を決めてあるし、そこから特待生としての入学権利を頂いてる。
だから今の人や、先に来ていた人たちの高校には入るつもりはないんだ。
そう…俺が初めてあの高校を訪れたのは半年前だった―――。
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